【2020年最新版】ファイナンシャルプランナー講座を受けてすべて記事にしてみたpart1|ユーキャンの2級FP

❷キャッシュフロー表を作成する手順

それでは具体例として4人家族の会社員の世帯のケースをもとに実際のキャッシュフロー表作成の手順を見ていきましょう。

(1)「実績値」で作成する

キャッシュフロー表を作成する際は、前年の実績値をベースに作成するのが基本です。

■キャッシュフロー表作成の手順とキーポイント

  • 初年度の数値は前年の実績値を参照して記入
  • 家族の年齢は12月31日時点の満年齢で記入(早生まれの子供の学齢に注意)
  • 収入は可処分所得(手取額)で記入、昇給率は控えめに
  • 支出は前年の実績値を参照して記入
  • 基本生活費、教育費等の変動率を記入
  • 教育費は各年毎に子供の進学状況を想定して費用を見積もる

(2)キャッシュフロー表で使用する計算式

キャッシュフロー表では変動率を用いた場合に使用する計算式を理解しておく必要があります。

■キャッシュフロー表で使う計算式

  1. 経過年数後の計算:現在の金額×(1+変動率)経過年数分乗   ※5年なら(1+変動率)を5乗する
  2. 貯蓄残高の計算:前年の貯蓄残高×(1+運用利率)±その年の年間収支

①経過年数後の計算:現在の金額×(1+変動率)経過年数分乗

物価変動率や給料の昇給率を使った場合の計算式です。例えば前年の可処分所得が200万円で昇給率1%の可処分所得は

200万円×(1+0.01)=202万円 となります。

翌年ではなく10年後の可処分所得を求める場合には(1+0.01)10乗の数値を電卓で求める、あるいは終価係数を利用して計算することができます。

200万円×(1+0.01)10乗=200万円×1.104622…≒221万円

200万円×1.105(終価係数)=221万円

②貯蓄残高の計算:前年の貯蓄残高×(1+運用利率)±その年の年間収支

貯蓄残高を求める計算式です。例えば前年の貯蓄残高が500万円で運用利率が2%、その年間収支が50万円の貯蓄残高は、

500万円×(1+0.02)+50万円=560万円 となります。

(3)「田中家のキャッシュフロー表を作成する

ではlesson2でライフイベント表を作成した田中家に再登場いただき、キャッシュフロー表を作成してみましょう。

①「ライフイベント表」をもとに年次・家族データ・イベントを記入します

②収入(可処分所得)と収入合計を記入します。

たろうさんの可処分所得を昇給率2%として計算、花子さんはパートで年100万円の収入ですが、これは昇給率0%として計算します。

  • 今年度のたろうさんの給与収入(可処分所得)537万円
  • 次年度以降mp昇給率を反映させます。

次年度の可処分所得=前年の金額537万円×(1+0.02)≒548万円

③支出項目を記入します

支出項目は、基本生活費、住居費、教育費、保険料、一時的支出(イベント費用)、その他支出の6項目に分けました

  1. 基本生活費:240万円/年(変動率1%として計算)
    次年度以降の支出金額は変動率を反映させます。基本生活費であれば
    次年度の年間支出額=前年の金額240万円×(1+0.01)≒242万円
  2. 住居費:136万円/年(住宅ローン)
  3. 教育費:各年下記の金額(変動率2%として計算)
    小学校30万円、中学校45万円(入学時は+30万円)、高校40万円(入学時は+40万円)で計算します。
  4. 保険料:48万円/年
  5. 一時的支出:主にライフイベント費用(変動率1%として計算)
  6. その他支出:60万円/年(変動率1%として計算)

④貯蓄残高を算出します

貯蓄残高は、前年度の貯蓄残高に運用利率を適用させた後、年間収支の差益または差損額を取り込んで算出します。税引き後の年平均運用利率を1%とすると、1年後の貯蓄残高は、800万円×(1+0.01)+54万円=862万円になります。以降同様に計算していきます。

ここではキャッシュフロー表の計算の意味を理解していただくため、電卓で計算することを前提に説明しています。

コメントを残す