最大3,000万円が非課税!住宅資金贈与の特例とは?住宅購入の裏技と注意点を解説

住宅を購入する時に、両親や祖父母から援助を受ける可能性がある人は、住宅資金贈与の非課税の特例を利用することで、資金贈与に伴う税金の負担を抑えることができます

しかし住宅資金贈与の非課税の特例を利用するには、条件やポイントを抑えたうえで利用しなければ、思うような節税効果が得られないことがあるため注意が必要です

この記事を読んだ方がいい方

  • 住宅を購入しようと思っている
  • 2世帯住宅を考えている
  • 親からの資金援助が期待できる
  • 贈与税って知らない・・・

一つでも当てはまったら最後までご覧ください

関連記事:住宅ローンの借りれる額|金利を考えた返済額から考えよう!

ぐむん
ぐむん
本記事では、ファイナンシャルプランナー勉強中である私が
住宅資金贈与の非課税の特例の内容や利用条件などを、分かりやすく簡単に解説していきますので是非最後までご覧ください

最大3,000万円が非課税!住宅資金贈与の特例とは?住宅購入の裏技と注意点を解説

住宅取得等資金の非課税の特例とは
父母・祖父母からの直系尊属から資金提供を受けて、住宅を新築・増改築等をした場合に贈与税が一定額まで非課税になる制度になります

非課税となるのは、2015年から2021年12月31日までに提供された資金です。

資金を贈与された場合は、たとえ親族からの贈与であっても贈与税の対象となり、贈与額から基礎控除額である110万円が差し引かれた金額に対して、贈与税がかかります。

例えば1,500万円の資金提供を受けた場合、非課税の特例を利用しない場合、360〜450万円くらいの贈与税がかかってしまいます
これでは、実質1,000万円程度の贈与しか受けられなかったことになってしまうのです

そこで、住宅購入時に取得等資金の非課税の特例を利用すると…
所定の条件を満たしている場合、1,500万円の贈与に対して贈与税がかからなくなるんです!

非課税となる贈与額は、以下のように住宅の契約を結んだ年月日や住宅の性能、適用される消費税などによって変わります。

購入の意思が固まったら→【3分で読める】住宅購入の流れを解説!諸経費はいくら?住宅ローンの注意点は?

適用される消費税率が10%の住宅を取得した場合

契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
2019年4月1日~2020年3月31日 3,000万円 2,500万円
2020年4月1日~2021年3月31日 1,500万円 1,000万円
2021年4月1日~2021年12月31日 1,200万円 700万円

適用される消費税率が8%の住宅を取得した場合や個人間で住宅を取得した場合など

契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
~2015年12月31日 1,500万円 1,000万円
2016年1月1日~2020年3月31日 1,200万円 700万円
2020年4月1日~2021年3月31日 1,000万円 500万円
2021年4月1日~12月31日 800万円 300万円

※出典:直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁

非課税枠は、贈与税の基礎控除である110万円と併用が可能になります
例えば、非課税枠が1,500万円となる住宅契約を結んだ場合、年間で1,610万円までの贈与が非課税になるということです

こちらも合わせてご覧ください:【1分で読める】住宅ローンの額を抑える方法|おすすめは親からの援助!?

省エネ等住宅とは?

  1. 断熱等性能等級4若しくは一次エネルギー消費量等級4以上であること
  2. 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上若しくは免震建築物であること
  3. 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること) ※出典:国税庁ホームページ

耐震性能や断熱性能、バリアフリー性能が高いほど、非課税枠が増える仕組みとなっています

住宅資金贈与の非課税の特例を受けるための条件

住宅資金贈与の非課税の特例を受けるためには、所定の条件を満たさなければなりません

特に注意すべき点を抜粋して超簡単に解説させていただきます
※詳しい条件については、国税庁のホームページをご確認ください

贈与を受ける人の条件

住宅資金贈与の特例

  • 贈与を受ける人が贈与者の直系卑属(子や孫)で、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上かつ、所得金額が2,000万円以下であること
  • 贈与された年の翌年3月15日までに、提供された資金の全額を充てて住宅を取得し、遅くとも同年の12月31日までに居住を開始できること

建物の条件

建物においては、床面積に指定があるところに注目

新築・増改築ともに家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下で、その半分以上が贈与を受けた人の居住用として利用される必要がある

また、中古住宅の場合は、築20年以内(鉄骨造、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造のような耐火建築物は築25年以内)でなければなりません

加えて、特例の対象となるのは、日本国内にある住宅用の家屋のみです

住宅資金贈与の特例を利用する時のポイント

住宅資金贈与の特例を利用するときは、ここでご紹介するポイントに注意しましょう

非課税制度を利用するには贈与税の申告が必要

住宅資金贈与の特例を利用する場合は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、贈与税の申告書に戸籍謄本などの所定の書類を揃えて、税務署に申告しなければならない

相続時精算課税制度も併用できる

相続時精算課税制度とは、贈与した資金に贈与税を課すのではなく、相続時に相続税の課税対象とすることで、2,500万円までの贈与に贈与税がかからなくなる制度

住宅資金贈与の特例と併用することで、贈与税の非課税枠をさらに拡大できます

場合によっては資金を贈与してくれた人が亡くなった場合に発生する相続税の負担が上昇する可能性があるため注意が必要です

小規模宅地等の特例を受けられれなくなる点に注意

小規模宅地等の特例とは、亡くなった人が居住していた土地が一定の要件を満たす場合に、相続税計算時の評価額を最大80%減額してもらえる制度

住宅資金贈与の特例の利用にかかわらず、マイホームを購入すると小規模宅地等の特例の要件を満たさなくなります

その結果、贈与した人が亡くなった時に相続税の課税対象となる自宅の土地の評価額が上がり、相続税の負担が増える可能性があるのです

まとめ

住宅取得等資金の非課税の特例は、条件を満たして父母や祖父母から住宅購入の資金提供を受けた場合に、一定額まで贈与税がかからなくなる制度

ただし、非課税の特例を利用するには贈与税の申告が必要で、課税となる金額は契約の締結日や住宅の性能によって変わります

また、贈与を受ける人や購入する住宅には、所定の条件が設けられており満たしていない場合は贈与税が非課税にならない点に注意して利用しましょう

参考:国税庁|直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税